実はスタンダード?!クセのないウォッカベースのレモンサワー!【アルコール研究レポート vol.3】

都内某所で開催したレモンサワー研究所で行った第1回「レモンサワー研究会」。

引き続きレモンサワーに合うアルコールの調査を行います。今回はウォッカ!

クセのなさが特徴で、市販のレモンサワーにもよく使われているアルコールです。

ウォッカの特徴とは?

ウォッカの味

ウォッカ「vodka」という単語は、スラヴ語で「水」を意味する単語「voda」に由来します。濾過と蒸留を繰り返しているため、無味無臭無色でクセがないお酒です。

ウォッカの製造法

大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモなど穀物を原材料とし、蒸留後、白樺の炭で濾過して作ります。近代に濾過と蒸留を繰り返す手法がロシア帝国で定着し、周辺国に広まったことから、現代の大半のウォッカの銘柄の成分はほとんどが水とエタノールでクセが少ないです。極限まで蒸留し中性スピリッツとしたものを水で希釈して、ウォッカとして瓶詰めする方法が広く採られていおり、この方法を取ると透明感のある味や香りになります。

ウォッカのルーツ

ウォッカのルーツには諸説あります。ポーランドとロシアで、ウォッカの発祥をめぐって争い、裁判になったことも。古いものでは12世紀頃からロシアの地酒を元に作られるようになったという説があります。

ウォッカのブランド

今回使用したのは、「ウヰルキンソン・ウオッカ」。ニッカウヰスキーが長年培ってきたスピリッツ製造の技を活かしたウォッカです。ほのかに甘く、まろやかですっきりとした後味が特徴。

また、日本では手軽にコンビニなどで変えるカクテルの「スミノフアイス」でおなじみのウォッカ「スミノフ」は代表的な銘柄です。3回の蒸留の後、白樺活性炭で10回も濾過。1滴1滴を作り出すのにじっくりと8時間以上もかけて濾過し、雑味・濁りを徹底的に取り除いています。ロシア皇帝御用達の歴史がありながらも、ロシア革命でフランスを経てアメリカ合衆国に亡命したブランドです。アメリカ合衆国など、ロシア以外の国で多く飲まれている、世界販売量No.1のウォッカです。

クセのないウォッカ×レモンサワー

ウォッカベースのレモンサワーは市販品にもよく見られるうえ、つくり方としても定番です。

焼酎よりもアルコール感が少ないので、飲みやすくなるのが特徴です。良くも悪くもなく、無難という感じです。

「苦みがある。」(30代・男性)

「無難。どことなく安い味。」(50代・男性)

「アルコール感が少なく飲みやすい。クセがない。」(20代・女性)

ウォッカと焼酎のレモンサワーの違い

チューハイ、レモンサワーというと、つい焼酎がベースで当たり前だと思われがちですが、現在市販のレモンサワーの多数派は、飲みやすさが特徴のウォッカをベースにしたものです。

例えば代表的な缶チューハイブランドKIRIN「氷結」はウォッカベースです。大人気のサントリー「ストロングゼロ」もウォッカベース。あのアルコール度数であの飲みやすさを実現しているのは、ウォッカをベースにしていたからなんですね。果汁のみを使用したシンプルかつナチュラルな缶チューハイKIRIN「本搾り」もウォッカベース。こちらもお酒を感じづらく、果汁本来のおいしさを引き出すためにウォッカが利用されています。

市販の缶チューハイで焼酎が使用されているのは、日本初の缶入りチューハイ、宝焼酎の「タカラcanチューハイ レモン」が代表的。他のレモンサワーに比べてお酒っぽさを強く感じます。焼酎特有の風味とレモンのさっぱり感が感じられる「元祖レモンサワー」ももちろんおいしいのですが、私たちの中の「レモンサワー」は気が付かないうちに、「ウォッカベース」が当たり前になっているのかもしれません。

おうちレモンサワーの定番の一つに、ウォッカも加えてみては?

今回改めてアルコール比較をしていましたが、私たちが普段飲んでいるレモンサワー自体が「ウォッカ」ベースの場合も多く、焼酎と同じくらい、もしくはそれ以上にメジャーな組み合わせであることは、レモンサワー通なら知っておきたい情報です。