全く別モノ?!瀬戸内産レモンサワーとアメリカ産レモンサワーを飲み比べてみた!

レモンの聖地、瀬戸内海に浮かぶ生口島で購入してきたレモンと、アメリカ産のレモンを食べ比べ・飲み比べしてみました!
瀬戸内の太陽と潮風をたっぷり浴びて育った国産のレモンは、輸入もののレモンと実際どれほど味や香りに違いがあるのか。果実そのまま、レモンサワーにして…。国産とアメリカ産の差をレビューします。
生口島でのレモン栽培の様子や、瀬戸内海の雄大な景色は、こちらの記事で紹介しています。
比較対象として用意したアメリカ産のレモンは、防カビ剤不使用で皮ごと使えるタイプのものです。
残留した農薬等も気になるところではありますが、ある程度安全性を確保できたレモンで、国産の瀬戸内レモンと比較しようと思います。
見た目も違うが香りも段違い!
まずは見た目から比較します。上がアメリカ産レモン。下の2つが生口島のものです。
今回生口島で購入してきたレモンはとにかく大きいのが特徴です。これは生口島で育ったものが特別大きいというわけではなく、レモンはそもそも、通常短径(ふくらみの部分)の直径が10cmを超える大きな果実を身に着ける植物なのです。
日本で手のひらサイズのレモンが定番になっているのは、そのままスライスして紅茶に浮かべたりすることも多いから。
つまり、地元で格安で販売されていたのは、通常市場には出回らない規格外のレモンだということ。だから、逆に小粒のレモンがあったり、全体的に皮に若干の傷や黒い粒が見られるものもありまが、食べる分には全く影響がありません。
さらに、瀬戸内レモンの方は、置いているだけで立ちのぼる香りが全く違います。握っただけでつい嗅ぎたくなるさわやかなレモンの香り。そして切った瞬間に広がるさらなる香り。まさに「フレッシュレモン」といえるレモンです。
一方アメリカ産のレモンは全体的に薄い黄色。つるんとしていて表面は美しいものの、どこか作り物のような雰囲気があります。
見慣れた一般的なレモンで、香りも鼻につけないとわからないほどです。
果肉の色・ツヤは
続いて、カットしてレモンの果肉の違いを見てみましょう。
生口島のレモンの方は、持ち帰ってから少し時間が経ちすぎてしまっていたので、一般的な瀬戸内レモンと称されるものより、熟しすぎているかもしれません。
その上の比較であることをご承知ください。
左が瀬戸内レモン、右がアメリカ産レモン。
多少熟しすぎたといえども、瀬戸内レモンとアメリカ産のレモンの果肉の違いは色やツヤではっきりとわかります。
ギュッと詰まった果肉感や、鮮やかな山吹色。瀬戸内レモンの方が見ただけで断然美味しそう。
国産とアメリカ産でこうした差が生まれる理由のひとつとして、レモンの収穫時期と輸送方法・距離の違いがあります。
輸入品のレモンは、完熟状態になるのを防ぐため、まだ緑の状態のまま収穫され日本にやってきます。
輸送される過程で徐々に黄色くなり、私たちの手元にいつもの黄色いレモンとして届くのです。
一方の国産レモンは最後まで木の上で熟させてから収穫します。収穫したレモンは国内だからこそできるスピード感で、すぐに市場に並びます。
そのままでおいしい瀬戸内レモン!
早速、レモンの味を比べてみましょう。
レモンサワーにする前に、まずはそのままカットして果肉をかじってみました。レモンをそのままかじるなんで、考えただけで酸っぱくて口の中に唾が溜まります。
案の定、アメリカ産のレモンは苦みと酸味を感じて、思わず顔をしかめてしまいました。
一方瀬戸内レモンは、驚くことに、そのまま果肉ごとかじっても「美味しい」と思えるほど甘く、コクがあり、味が濃いのです。
まるで普通の柑橘類のフルーツのよう。
瀬戸内レモンには、それまで私が思っていた「レモン」という枠に収まらないほどの深い味わいを感じました。「旨みのあるレモン」と表現できると思います。
レモンサワーにして飲み比べるのがさらに楽しみになってきました。
風味豊かな瀬戸内レモンサワー!アメリカ産は・・・
さて、いよいよ瀬戸内レモンサワーと、アメリカ産レモンサワーの違いを比較します。
今回は、宝焼酎、ソーダ、氷、レモン、だけで甘くないレモンサワーを作って、シンプルに果汁の味で比べました。果実を絞ったあと、皮ごとサワーに投入して作ったレモンたっぷりのレモンサワーです。
左が瀬戸内レモン、右がアメリカ産。
熟し度合いの差はありますが、瀬戸内レモンは皮が曲がるほどしっかり絞れるのに対して、アメリカ産レモンは固めです。
瀬戸内レモンのレモンサワーは果実をかじったときの「旨み」がそのままサワーになっていました。
風味豊かなレモンサワーです。果汁だけでありながら味に奥行きがあります。
酸味だけではなく甘み、コクを感じさせるレモンサワーなのです。
一方アメリカ産のレモンサワーは、非常に単調な味。酸味がキツく、あっさりとしています。
私は断然瀬戸内レモンサワーの味の「濃さ」が好きなのですが、一緒に比較してくれた家族に意見を聞いてみると、サッパリとするアメリカ産が好きだ、という意見もありましした。
確かに、辛口でキレがあるレモンサワーが好きな場合は、味がシンプルなアメリカ産の方が良い場合もあるのかも。焼き肉などの料理には、酸味が強いレモンサワーの方が合うのかもしれませんね。
合わせる料理や好みや気分に合わせて、使うレモンを分けるのも、レモンサワー通の楽しみ方ではないでしょうか。
瀬戸内レモンは別格の美味しさ
今回国産の瀬戸内レモンと、アメリカ産の防カビ剤不使用のレモンを、見た目、果実、サワーにして…と比べてみました。
比べてみてわかったのは瀬戸内レモンには圧倒的な「味の濃さ」「コク」があるということ。
果実としての旨み、深み、広がりを感じさせる味です。
果実を持った瞬間に、切った瞬間に広がるさわやかな香りも瀬戸内レモンの醍醐味。
先に書いたように、輸入品のレモンは、熟しすぎを防ぐため緑の状態で収穫され輸送される間に徐々に黄色くなっていきます。一方、国産レモンは木の上で完熟させてから市場に届けることができます。そうした輸送に関する違いも、より一層国産レモンの美味しさを引き出すのです。
この記事の中で、大手メーカーによりまとめて買い上げられてしまうため、なかなか瀬戸内レモンが広く行きわたらないという事情を紹介させていただきました。
ただ、今回の比較の中で、やはり瀬戸内レモンには別格の美味しさがある、ということも認識しました。
その上で、本当に「瀬戸内」だけが特別なのか。「国産」のレモンであることこそが美味しいレモンの条件なのではという仮説もあります。
確かに、気候の問題で日本の中でレモン栽培に適した地域は唯一といえるのが瀬戸内地方です。
しかし、品種改良や土地の活用技術も広がる中で、瀬戸内以外の地域でもレモン栽培は徐々に広がっています。
「瀬戸内」以外の国産ブランドも出てきてほしい、国産レモンの栽培がより広がって欲しいと願うばかりです。
今後「レモンサワー研究所」では「瀬戸内」以外のレモンもレビューし、国産レモンが広がるような広報をしていけたらと思っています。
おまけ
今回、せっかく皮ごと安心して使える瀬戸内レモンが手に入ったので、手作りのレモンシロップを作りに挑戦してみました。
レモンサワーはもちろん、暑い日にはソーダで割ってレモネードに、アイスティーに入れれば絶品レモンティーに、ヨーグルトにかけて…等々使い方はたくさん!
瀬戸内レモンのコクや味の濃さがシロップに出ていて、そのおいしさをさらに楽しむことができました。
つくり方については、こちらの記事でまとめています。