甘さ?レモン感?レモンサワーの味の違いを決める公式とは?!

レモンサワーの味って何で決まるのでしょう?
レモン感?甘さ?お酒の種類?
様々な要素があると思います。今回は、レモンサワーのシロップ等を製造販売しているサンクラウン果精株式会社の代表取締役 小川氏のお話を参考に、レモンサワーを構成する要素を分解していきます。
レモンサワー研究所が、これまでなかった「レモンサワーの公式」を発案しご紹介いたします。
これがあれば、自分の好みのレモンサワーを作る式が分かるかも。
レモン感
まず、レモンサワーの要素として欠かせないのが「レモン感」。
この「レモン感」を作るための材料として、生絞りか、シロップか、100%果汁かなどの選択肢があります。
シロップ×果実など、組み合わせて使うことも。
近年のレモンサワーブームによって、飲食店で提供されるものだけではなく、缶チューハイの中でも「レモン感」の差別化が進んでいます。
ほんのりとレモンの風味を感じるかつてのベーシックなレモンサワーよりも、現在は生のレモンの風味や酸味を再現できるかの競争が激化。各メーカーいかに「お店の味」に近づけるのかに挑戦した商品が多いです。
飲食店では凍結したレモンをたくさん入れたものや、輪切りにしたレモンをタワー状にしたものなど、「見栄え」や、「ヘルシーさ」、「女子受け」といった面でも「レモン感」にフォーカスしたサワーが増えてきているように思います。
この「レモン感」を表現する言葉として、小川氏に教えていただいたのは、
- 生の果実のような酸味を感じる「フレッシュ感」
- 皮ごとすりおろしたような風味と苦みを感じる「ピール感」
レモンサワー研究所ではこのワードを使って、レモンサワーレビューを行っていきます。
甘さ
シロップなし、少量、多め、など、シロップの分量で「どんな」レモンサワーかが決まるかと言っても過言ではありません。
レモンサワーにおける「甘さ」は重要な要素にもかかわらず、現状ではそれが明記されていないことがほとんど。
「甘いレモンサワー」と「甘くないレモンサワー」は完全に別のお酒です。
にもかかわらず飲食店では、頼んでみないとレモンサワーかが分かるような状況が続いています。
かろうじて「生」レモンサワーは甘くないのかな?と思えるくらい。
これでは「甘い」方のファン、「甘くない」方のファン、どちらのファンも残念な思いをすることがあります。
そこで、レモンサワー研究所が提案したいのが、日本酒の「甘口」「辛口」のように、レモンサワーにも「甘口」と「辛口」をつける、ということ。
日本酒の辛口だって本当に辛いわけではないですし、レモンサワーにもそうした表現があっていいはずです。
「キレ」や「ドライ感」の強いレモンサワーは、今後「辛口レモンサワー」と名付けて記事を書いていきたいと思います。
ちなみに、小川氏によると、缶チューハイでは、カロリーを抑えるためにステビア等の人工甘味料が入っていることも多いそう。この人工甘味料の甘さは、舌にまとわりつくような不快感があります。味の面でも健康面でもあまりよろしくないので、甘いレモンサワーを楽しむのであれば、カロリーオフのものは避けるのがベターだそうです。
アルコール
定番の焼酎から、ジン、ウォッカ、テキーラ、ホワイトラムなどの蒸留酒、さらには日本酒まで。
レモンサワーに用いるアルコールは様々。
焼酎の中でも度数に違いがあったり、お酒の種類によって風味が異なったり。レモンサワーを構成する柱のひとつです。
特に日本酒は、それまで蒸留酒が基本とされていたレモンサワー界の常識を打ち破りました。
まろやかな風味と華やかな香りがレモンの酸味を柔らかく包み込み、上品なレモンサワーに。
レモンサワーの可能性を広げた異端児です。
最近では、イタリアのレモンのお酒リモンチェッロも飲食店や缶チューハイでレモンサワーの素材として採用されています。おしゃれなイタリアンやフレンチ等でも、シャンパングラスに入って提供されているみたい。
裾野がどんどん広がるレモンサワー界ですが、小川氏が強く主張していたのは「ウィスキーと合わせたら、たとえレモンが入っていたとしても、それはもうハイボールだ」ということ。
「ハイボール」とすでにカテゴライズされたお酒と、「レモンサワー」は別物で、住み分けをしなくてはいけないというのが小川さんの意見でした。
確かにハイボールは特にお酒の風味も強く、レモンサワーの魅力が引き立つシンプルでさわやかな風味とは異なる印象。
レモンサワー研究所では、「ウイスキー」が入ったものは「レモンサワー」には含めないことをお約束します。
»ラム酒を使ったレモンサワーのレビュー
»ジン使ったレモンサワーのレビュー
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»米焼酎「白岳しろ」を使ったレモンサワーのレビュー
炭酸
炭酸なんでどれも大差ないと思っている方も多いのでは?
割材にもこだわるのが、真のレモンサワー通。
一口に炭酸と言っても、「強炭酸」「微炭酸」などその強さによって味にかなり変化が付きます。
炭酸が強ければ、ガツンとキレのある味に。微炭酸ならレモンの味をじっくり楽しめる繊細な味に。
もちろんウィルキンソンやペリエなどブランドによる差もあります。
さらには、炭酸水をそのまま氷らせた氷が販売されているので、それを入れれば、氷が解けても炭酸が薄まらないリッチなレモンサワーに。
レモンサワー研究所では割材の炭酸水による違いも、今後レポしていきます。
グラス
小川氏が特にその重要性を強調していたのが「グラス」。
一見、中身とは何の関係もないように思えるのです要素ですが、これがかなり大切!
味の感じ方に大きく作用するんです。
グラスの淵の形状によって口当たりが変わり、お酒の味に強く影響します。
「グラス」は単なる入れ物ではなく、もはや「レモンサワー」の一部なのです。
レモンサワーファンならグラスにもこだわりたいところ。自宅にレモンサワー専用グラスなんて用意するのもいいかも。
レモンサワーに最もおすすめなのが、うすはりのグラス。味の繊細さや、中身の冷たさもちゃんと伝わります。
一方レモンサワーを飲む時に、最も残念なグラスはジョッキです。
口当たりが悪く、レモンサワーのおいしさを台無しにしてしまうとのことでした。
居酒屋で出てくることも多いジョッキスタイルのレモンサワー。
レモンサワー研究所としては、しっかり啓蒙して撲滅に踏み切りたいものです。
レモンサワーの公式は?
現時点でのレモンサワー研究所、レモンサワーの味を決める要素の公式は、
「レモン感×甘さ×アルコール×炭酸×グラス」です。
飲んでみたいレモンサワーをこの公式をもとにカスタムしたり、お気に入りのレモンサワーをこの公式で表現したりすることも可能。
例えば女子大生の私だったら、
「フレッシュ感が強い×甘口×ジン×強炭酸×うすはりグラス」で、カクテル感の強いレモンサワーを作って飲んでみたいです。
ジンの風味と苦みを楽しみたいので、あえてピール感はオフ。フレッシュな酸味とジンがさわやかなコラボレーションをしてくれそう。炭酸は強めでドライ感を。ちょっぴり大人のレモネードのような雰囲気で軽く楽しみます。
もちろんこの他にも、応用編として、氷の形状や、ミントや塩などのトッピングといった要素も。飲食店で提供されるレモンサワーには、レモンを冷凍した輪切りのレモンをタワーや、実際に皮ごとすりおろしたものなど、レモン自体を使った工夫も見られます。果実の要素も加えればさらにレモンサワー通に。
一見シンプルに思えて、奥が深いレモンサワーの世界。宇宙は広がるばかりです。
レモンサワー研究所はさらなる研究を重ねていきます!