米焼酎「白岳しろ」はレモンサワーを高級に変えるやつだった【アルコール研究レポート vol.4】

レモンサワーに合うアルコール研究、今回は、米焼酎の「白岳しろ」をレビューします。

レモンサワーに使う焼酎といえばクセのない甲類が一般的です。原材料のクセが残る乙類(芋焼酎など)は基本的に使われません。

しかし、米焼酎を使ったレモンサワーはその上品さが魅力で、看板レモンサワーにしている飲食店もあるほど。

同じお米由来の日本酒のレモンサワーとの比較を行いつつレポートします。

米焼酎とは

甲類焼酎と乙類焼酎

焼酎は蒸留酒です。「蒸留」とは 水とアルコールの沸点の違いを利用して、お酒を加熱した後、その蒸気を再び冷却し液体にすることです。

一般的レモンサワーに使われる甲類焼酎は廃糖蜜や酒粕などを原料とした発酵液を何度も蒸留します。アルコール純度が高くなり原料本来の風味が失われるため、味覚の個性は薄くなります。

一方の乙類焼酎は、基本的に一回のみの蒸留のため、原料本来の風味や旨み成分が残ります。

米焼酎と日本酒の違い

米焼酎と日本酒はどちらの原材料も米ですが、米焼酎は蒸留酒で、日本酒は醸造酒という違いがあります。日本酒はお米を発酵させたお酒(醸造酒)で、それをさらに蒸留したものが、米焼酎です。

米焼酎の方がアルコールの純度が高いので度数も上がります。日本酒と異なり蒸留酒は糖質ゼロなので、ダイエット中にもおすすめです。

球磨焼酎

熊本県人吉盆地で生産される米焼酎は特に「球磨焼酎」とよばれ、世界貿易機関のTRIPS協定に基づく産地表示の保護指定を受けています。また、2006年には地域団体商標として登録されてもいます。

香りや味わいは日本酒に近くフルーティで、減圧蒸留の普及もあって初心者にも受け入れやすい焼酎なのが特徴です。

白岳しろ

高橋酒造は本格米焼酎(球磨焼酎)「白岳」(はくたけ)の醸造で知られる熊本県の会社。その中の『白岳』の高級路線の商品が「白岳しろ」です。上品な香りと軽やかな口あたりが特徴の「白岳しろ」。透明感のあるすっきりとした味わいの淡麗さがポイントの米焼酎です。「しろ」は2006年インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション (IWSC) のスピリッツ部門で銀賞を受賞しています。

米焼酎はレモンサワーにコクと風味をプラス

華やかで甘みのある風味が特徴の米焼酎「白岳しろ」は、レモンの酸味をまろやかにつつみ、コクと風味を増してくれる絶妙なコラボレーションした。

研究会に参加したメンバーからの評判も良く、

「香りがいい。コクが出ておいしい。」(30代・男性)

「とても好き。お米の風味が、レモンを品よくまとめている高級レモンサワー。」(20代・女性)

日本酒レモンサワーとの違い

一般的なレモンサワー甲類焼酎やウォッカを使用したものです。今回の研究会で試したジンやラムは、レモンサワーらしい「キレ」があり、それぞれそのアルコール特有の風味がアクセントを加えていました。

一方米焼酎「白岳しろ」は、キレよりもやわらかさや上品さが魅力のレモンサワーです。

日本酒のレモンサワーとの違いは米焼酎の方が後味がすっきりしている点です。お米由来の甘さや華やかな風味を残しつつ、最後はスッと引くので、バランスをとれた上品レモンサワーです。

ちなみに筆者は、今回試したアルコールの中ではこの「白岳しろ」が最も好みでした。

米焼酎を使用したレモンサワーが楽しめるお店

桜(馬肉)しゃぶしゃぶと日本料理のお店、目黒にある馬刺料理と季節の割烹 そま莉のレモンサワーは、今回レビューした「白岳しろ」を使ったもの。

熊本出身の店主が、地元のお酒「しろ」を使った絶品レモンサワーを考案しました。
馬肉とよく合う、華のあるレモンサワーは舌の肥えた常連さんたちを唸らせます。

実際に取材にもお伺いしてきました。レビューはこちら。

高級感のある上質なお料理のおいしさを引き立ててくれるのが、米焼酎レモンサワーの魅力です。